オードリー・タン(唐 鳳)
台湾の政治家、プログラマー。
(このような方が日本にいたら、今とは違う良い状態になっていたのではないかと、私は思う。)
《台湾が新型コロナ封じ込めに成功した3つの理由》
基調講演にて、ソーシャルイノベーションの三本柱は「素早く」「公平に」「楽しく」と述べる。
「素早く」は集合知に基づくスピード感のある取り組みを意味する。
2019年末、武漢の李文亮医師による「武漢海鮮市場で新型SARS7件発症」という内部告発を、台湾の若い医師が台湾の投稿サイト「PTT」へ投稿。この投稿の翌日2020年1月1日には、台湾政府は武漢から到着する乗客全員の検疫を素早く開始。
「李医師は間違いなく、台湾の人たちを救いました」と語る。
2020年4月。ある男子がホットラインに「クラスの男子は全員青色のマスクを着けているのに、配給されたマスクはピンク色。それを着けて登校したくない・・」と相談。その翌日、中央感染症指揮センター本部長 陳時中氏の会見で、このようなジェンダーバイアスを打ち消すため、スタッフ全員がピンク色のマスクで、記者会見に臨んだ。
「公平に」の具体例はマスクマップ。
台湾では薬局のマスク在庫状況を、30秒ごとにオープンAPI(サービス利用のためのインターフェイス)にて更新。
多くの人たちと連携し、在庫をリアルタイムに表示するツールが、100個以上作成された。
「市民を信頼してオープンデータを提供し、マスクの列に並ぶ間に目で確認できるインフラを共創していることを感じてもらった。
農村部で薬局に到着したら閉店していたなどの情報があれば、変更や修正も提案してもらえる」と語る。
2020年4月頃には、マスクを事前注文し近隣のコンビニに配達してもらう仕組みが広がり、問題だった薬局行列を完全解決。
このようにして、台湾では国民が公平にマスクを入手できる環境を実現。
「楽しく」も重要です。と、彼は話す。
日本だけではなく、台湾でも2020年4月にトイレットペーパーの買い占めが起きた。しかし、行政院長が「お尻は皆一つしか持っていない」と書いた絵でアピールし、事態は収束。
「言葉遊びなのですが、北京語で『買い占め』を『トゥウィン』と発音します。『お尻』も『トゥウィン』と発音するため、拡散されました」と説明。
また、各省庁にはスポークスパーソンがいるが、衛生福利部のイメージキャラクターは犬。そこで、衛生福利部は「室内では柴犬3匹分、屋外では柴犬2匹分の距離を相手と取りましょう」と呼びかけた。台湾ではこのような取り組みも傾向と反応をリアルタイムで見て、平均60分で展開できると彼は言う。
日本への助言は、「台湾のように事前に行動しておく」ことと、彼は語る。
「日本のみならず世界に向けたアドバイスは、2003年のSARS直後、2004年の台湾の取り組みをすることです」。
台湾では2004年には、中央感染症指揮センター、新伝染病防治法など、新しい組織や法的枠組みなどを整備していた。
2004年当時既にこのような対応をしていたこともあり、2020年新型コロナウイルス感染症が世界で感染拡大した際にも、台湾では緊急事態宣言を発令せずに済んだと主張。
「感染拡大中に新たなデータ収集地点を展開するのは困難。今回の台湾のように、SARSプレイブックをもとに、事前に行動しておくのです」と呼びかけた。
五月天 Mayday
2021年3月29日、誕生から24周年を迎えました。
「五月天」は、日本で言う「スマップ」と同じくらいの人気で、台湾で知らない人はいないくらいと聞きます。
そんな五月天が、3月29日に台湾の台南市立競技場でコンサートを開きました。
入れないファンたちは、会場の外から彼たちの歌声を聴き、24周年のお祝いをしていたようです。
観客はマスクで静かに聴いています。
日本も台湾のように、感染の広がりを抑え一日も早くみんなが自由に楽しく過ごせるそんな日が来るよう、がんばっていきましょう!
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